肺癌 〜症状・治療など〜

医学生プロリンです。

肺癌について。

肺癌の疫学

三人に1人はがんで死亡するが、

そのうち肺癌は男性で1位、女性で2位を締めている。(2014年の統計)

また、男女比は   男:女=3~4:2  で男の方が多い。

平均年齢は70歳前後。

症例全体の5年生存率は31.9%  (2006~2008診断例)。

*この値はさまざまなステージの人を合わせた平均数字なので早期発見の場合はもっと

高い生存率となります。

間質性肺炎患者の10~20%に肺癌が合併する。

肺癌のリスク

危険要因の一番は喫煙。

喫煙者の非喫煙者に対する肺癌相対リスクは5.5倍。

(タバコを吸う人は吸わない人に比べて5.5倍、肺癌になりやすい)

禁煙によって男性で70%、女性で26.3%の肺癌を予防できる。

夫が喫煙者の場合、女性の肺癌リスクは1.3倍となる。

肺癌の家族歴がある場合、肺癌リスクは2~4倍。

(血縁者に肺癌の人がいる場合、2~4倍肺癌になりやすい)

肺癌の分類

小細胞癌

扁平上皮癌

腺癌

大細胞癌

の4つに分類される。治療上は小細胞癌と非小細胞癌に分類して扱う。

肺癌の発生部位は

肺門(肺の入り口)近くにできる肺門型(中枢型)と、

肺門から遠い所にできる肺野型(末梢型)がある。

肺門型…喫煙と関連が強い。血痰がでることが多い。扁平上皮癌、小細胞癌に多い。

肺野型…喫煙との関連は低く、自覚症状は少ない。腺癌、大細胞癌に多い。

肺癌の特徴

・小細胞癌

  原発性肺癌の約10~20%を占める。

進行が早く悪性度が高い。転移がしやすい。

放射線や抗癌剤が効きやすい。

・扁平上皮癌

原発性肺癌の30~35%を占める。

  男性の肺癌の40%、女性の肺癌の15%

比較的太い気管支から発生する。

血痰等の症状が出やすい。喫煙との関連が大きい。

・腺癌

原発性肺癌の40~45%を占める。

  男性の肺癌の40%、女性の肺癌の70%

喫煙との関連は他のタイプに比べ少ない。

末梢に発生しやすい。症状は出にくい。

若年者の肺癌は60~70%が腺癌。

EGFR変異は腺癌の50%に認められる。

他にKRAS遺伝子変異、EML4-ALK遺伝子転座など

・大細胞癌

肺癌の約5%。

他の分類不可能なものが含まれる。

肺癌の腫瘍マーカー

CEA…腺癌で上昇。予後因子として有用。喫煙者では正常の2倍程度上昇することがある。

SLX…腺癌で陽性率がやや高い。早期癌では陽性率が低い。

SCC…扁平上皮癌で20~50%ほどで高値を示す。

CYFRA21-1…扁平上皮癌で60~80%で陽性。

NSE…小細胞癌

ProGRP…小細胞癌

肺癌の治療

・小細胞肺癌…化学療法、放射線療法の感受性が高い

I期          手術+化学療法

限局型     化学療法+放射線療法

進展型     化学療法

再発例     化学療法

・非小細胞肺癌

I期          手術

II期         手術

IIIA期       化学療法+放射線療法   一部手術

IIIB期       化学療法+放射線療法

IV期         化学療法  免疫療法  分子標的治療

再発例      化学療法  免疫療法  分子標的治療

手術療法

癌細胞を全て取り除くことを目標とする。切除できる場所に限局して癌が存在すること、手術に耐えうる体力があることが条件である。

放射線療法

手術に次ぐ有効な局所療法。体への負担が少ないので治療だけでなく疼痛管理などにも使用される。

副作用…食道炎、間質性肺炎、皮膚炎

化学療法

Response Evaluation Criteria In Solid Tumors (RECIST)の治療効果判定基準

CR…完全奏効。全ての標的病変の消失

PR…部分奏効。標的病変の径和が30%以上減少

SD…安定。変化なし

PD…経過中最小の径和に対して20%以上増加、かつ径和が絶対値でも5mm以上増加。

・化学療法剤

プラチナ製剤…シスプラチン、カルボプラチン

トポイソメラーぜ阻害薬…イリノテカン、アムルビシン

微小管阻害薬…パクリタキセル、ドセタキセル、ビノレルビン

代謝拮抗薬…ゲムシタビン、テガフールウラシル配合剤、TS-1

・分子標的薬

EGFR-TKI…ゲフィチニブ

ALK阻害薬…クリゾチニブ、

抗VEGzF抗体…ベバシズマブ

・免疫チェックポイント阻害薬

PD-1抗体…ニボルマブ、ベンブロリズマブ

化学療法の主な副作用

シスプラチン…腎毒性、消化器症状(悪心嘔吐、口内炎)、感音性難聴

カルボプラチン…骨髄抑制(血小板減少など)

パクリタキセル…末梢神経障害、脱毛、便秘

ビノレルビン…血管炎、末梢神経障害、脱毛、便秘

ペメトレキセド…皮疹、肝機能障害

イリノテカン…下痢、脱毛

アムルビシン…骨髄抑制

EGFR–TKI…間質性肺炎、肝機能障害、皮疹、爪囲炎、下痢

ベバシズマブ…出血、蛋白尿

ニボルマブ…甲状腺機能障害、大腸炎、脳炎、重症筋無力症、間質性肺炎

肺癌の合併症

原発巣の局所浸潤

気道狭窄、無気肺、閉塞性肺炎

喀血

上大静脈症候群

Pancoast症候群

癌性胸膜炎

癌性心膜炎

遠隔転移

脳転移

癌性髄膜炎

脊髄障害

電解質異常、内分泌代謝異常

高Ca血症…扁平上皮癌がPTHrPを産生することによる。

SIADH…小細胞癌がADHを分泌。

LambertーEaton症候群…小細胞癌の3%に合併

女性化乳房…小細胞癌がhCGを産生。

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